・再生医療として初めて医療への無限の可能性を開拓した全能性幹細胞は、世界初の胚性幹細胞(ES細胞)の発見にさかのぼり、3名の研究者がノーベル賞を受賞しました。しかし、受精卵を利用することから生命倫理の観点で、医療への実用化が進みませんでした。
・その後、世界で2番目に創出された技術として、ノーベル賞を受賞した京都大学山中博士が創出した日本発のiPS細胞があります。これは、体細胞への遺伝子導入で多能性を獲得したもので、受精卵を扱いません。そのため、これを応用した医療や医療材料の研究開発は、従来治療が困難な疾患など数多くの治療法開発に向けて鋭意取り組まれています。
・第3のブレイクスルーは、東北大学の有馬らが受精卵あるいは妊娠初期の胎盤細胞から胎盤形成のもととなるトロフォブラスト(TS細胞)細胞の培養に世界で初めて成功したことによってもたらされます。この細胞は、遺伝子導入などをすることなく、特殊な培養法(特許化技術)で、分化誘導可能で、その技術を用いた研究開発に、世界から熱い期待が寄せられています。
・胎盤(プラセンタ)の持つ多彩で神秘的な機能は以前から「若返り効果」などに期待されており、古くから漢方や美容使用されてます。
・さらに、受精・着床後の赤ちゃんになる「胚」を母体から受ける様々な免疫からの攻撃からを逃れることで母体としての機能を担う、まさに、生殖と免疫、内分泌など生命活動の維持において重要なポテンシャルが期待されています。